5000年以上続くインド、スリランカ古代アーユルヴェーダの教え
古代アーユルヴェーダの教えの後編です。
食べ物の陰と陽について
マクロビオティックの基本的な概念の一つに身土不二とい う考え方があります。これは人間の体と土地は切り離せない 関係になり、生まれた土地の食べ物がその人に最も適してい るという考え方です。例えば、熱帯地域で育つ水分豊富な野菜や、熱を下げる効果のある果物は暑い気候での暮らしには体に合っている食べ物ですが、それらは陰性の食べ物なので寒い地域で食べすぎれば体が陰性 になりすぎバランスを崩してしまうことがあります。
アーユルヴェーダは、サンスクリット語で「生命科学」という意味を表しています。アーユルヴェーダはその人に合わせた方法で病気を防ぎ、体だけではなく、心身健康な輝く存在に導いてくれる古代の医学。人間は一人一人が異なったプラクリティ(体質)を持っていることから、誰一人として同じではないとアーユルヴェーダは捉えます。例えば腹痛があるからといって痛み止めを飲むのではなく、その腹痛は何を原因に引き起こされているのか、精神の状態はどうか、アーユルヴェーダは全体治療、ホリスティックに考えます。自分の体質、弱点を知ることが大切で、それに合わせて季節にも合わせた食事法などを実践し、体の免疫力、消化力を上げていくことが大切とされます。
また、アーユルヴェーダでは、ストレス、環境汚染、不健康な食生活、ネガティブな思考などによって、「アーマ」と呼ばれる毒素が体内に蓄積すると、本来あるべきの体の体質、状態のバランスが崩れるとされています。アーユルヴェーダの目的は、蓄積した有害物質を体内から排出し、体だけでなく、心身の状態も浄化されると、本来の健康状態を維持することが可能になります。
アーユルヴェーダでは、トリグナという3つの属性のエネルギー「サットヴァ」「ラジャス」「タマス」と、心と体の基本的な性質を表す3つの体質、ドーシャという3つの性質のエネルギー「ヴァータ Vata」「ピッタ Pitta」「カファ Kapha」があるとされています。健康で美しくあるための鍵は、自分の本来持っているドーシャの割合を知り、このバランスを保つことです。
そして、体の中できちんと『消化・吸収・代謝・排泄』が行われてはじめて、健康の基本になります。
このドーシャは季節にも深く関係していて、夏になるとピッタという火のエネルギーが上がります。
アーユルヴェーダではほとんどの病気は消化不良から引き起こされるとされています。消化力を上げるには体の中の火の性質、アグニ(消化の火)の力を上げることが大切です。
なぜなら、アグニのエネルギーが弱まって私たちが摂取したものを十分に消化できないとき、「アーマ」とよばれる毒素が体に蓄積するからです。この毒素が体内に蓄積されると、心身をめぐるエネルギーの流れが悪くなり、最終的に病気という形で現れることになります。消化力を上げる、つまりアグニを強くするための食事法、運動法などが大切になってきます。
このように古くからの伝統医学はわたしたちの体と自然環境は切り離せないことを知っていました。 あなたの住んでいる場所の季節と土地に合った物を食べることや、四季それぞれの旬の食材をとることが、 体のバランスをとることに繋がります。簡単に言えば旬のものを食す、ということ。何千マイルも遠くから やってきた外国産のオーガニックの食品をスーパーマーケットで買うよりも、流行りのスーパーフードと呼 ばれる健康食品を摂取するよりも、あなたの普段の食生活、食習慣を見直し、その土地で育ったものを食すほうがずっとあなたの体に合っています。
両親の実家の庭でとれたみかんとゆず。
その国にはその国に合った野菜が売られていました。
世界のファーマーズマーケットを見学しているとワクワクしてきます。
アーユルヴェーダの基礎のお話でした。
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